vol.62 障害を飛び越えるeゲーム
道南八雲町の戦士達
ゲームというと、「遊び」「娯楽」というイメージですが、
実は、時に、“人生を救う” 魅力を秘めているのをご存じでしょうか?
道南・八雲町にある「国立八雲病院」には、戦士たちがいます。
筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症などの難病と戦っているだけでなく、彼らは文字通り、ゲームの中で激しいバトルを繰り広げているのです!
道具があれば、互角に戦える
彼らはいずれも身体の筋肉が徐々に動かなくなってゆく病気で、昨日できていたことが今日できなくなる…そうした喪失感を日々経験している若者達。
ほとんどの人は、病気の進行と共に、寝たきりの生活を送ることを余儀なくされます。
しかし、国立八雲病院のリハ室にいる作業療法士・田中栄一先生は、わずかに残った、彼らの意思で動かせる指や舌などに合わせ、パソコンやコントローラを操作する道具を作ってしまうのです。
私も、昨年〜今年にかけて部品を製作する様子などを取材させて頂きましたが、
田中先生は、
ホームセンターなどに売っている部品を組み合わせて、半田ごてで加工したり、曲がってしまった彼らの身体の姿勢に合わせ、見やすい位置にモニターを固定したり。
リハ室には、工具がいっぱい!
先生は、「もう、何の部屋だか分からないでしょう?」と笑います。
そんな作業療法士の先生達手作りのコントローラーを操り、
彼らは持ち前の好奇心と探究心、若者の感性で、それらの道具を使いこなし、様々なゲームを攻略。プロゲーマーと対戦するまでに!
その様子が、先日NHK「おはよう日本」で放送されました。
番組中で彼らは、コントローラをたくみに操り、なんと、高校生によるトッププレーヤー達と対戦する様子が描かれています。
ベッドに寝ながらも、それぞれの道具を使いこなし、5人でチームを組んで対戦!目は真剣そのもの!
その迫力あるシーンには思わず息を飲みます。
そう、コントローラを操作する装置の違いはあっても、ゲームは互角!!
彼らは言います。「ゲームで救われた」と。
彼らの生き生きとした目、そしてその華麗なテクニックをどうぞ、ご覧下さい!
(3分ほどの動画です。中央の矢印をクリック!)
2019.10.3
★NHKワールドではショートバージョンも公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=bpl0ionqCSk
★NHK「おはよう日本」特集ダイジェスト
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2019/06/0621.html?fbclid=IwAR1ZlVa5uAXrTb42rudSyIAzEhRFyb00AOQLwY-OeGR5RH2RaEpY2AkrT_g