vol.74 「0円からできるバリアフリー」その2〜通路の幅に秘けつあり!
ウェルカムな雰囲気を生み出す通路幅
「0円からできるバリアフリー」の2回目です。
今回は、通路幅で、「歓迎する気持ち」「拒否しない空気」を作る演出について。
どのお店も、面積あたりで売上を計算し、テーブル数や席数を決め…
インテリアや内装にこだわって、「回転率が良いように」だったり、「ゆったり過ごしてもらえるように」など、それぞれお店独自の工夫を盛り込むことで差別化を図っていらっしゃると思います。
そこに、バリアフリー的演出として、ぜひ、通路幅をちょっと意識してみて頂きたい!
それは…さり気なく、店内のメイン通路の幅を90㎝〜1m確保すること。
全部の通路じゃなくて良いんです。各テーブルに通じるメインの一本だけでも上記の幅を確保する。
北海道では、冬になると、イスの背にコートやショールを掛けたりする分、
通路の両脇に人が座ると、通れる幅がとても狭くなりがちですが、
そうした状態でも上記の幅が確保できると、「通れる」という安心感がそこに生まれます。
これだけの幅を確保すると、車いすの人だけでなく…
杖をついたお年寄り、ベビーカーを押すママ友達、キャリーバッグをもった外国人観光客など、いわゆる“健常で身一つ”ではない人みんなが、後ろめたさを感じることなく、安心して通れるのです。
実は、その位の通路幅を確保すると、混雑時の接客もスムーズになります。
たったそれだけで、ぐぐっとバリアフリー度が一気に高まるのです。
せまくて幅がとれない時は言葉でフォロー
え?ウチの店はそこまで通路を開けられない?という方も安心して下さい。
通りにくそうにしているお客さんを見たら、
「お客さんごめんなさいね。ウチ、通路狭くって!」
と、誠意を持って声をかけるだけでもOK!
お客さんは「分かってくれた」と安心しますし、他の客も「お、そうか、じゃ、イスをひくか」と思う。
これが、見て見ぬ振りしたり、無言でいたら、店側にそうした意図はなくとも、
客側は「無視された」「迷惑をかけている」…という気持ちになり、そのお店での滞在を十分楽しめなくなります。
「どんなお客様でも来て下さったら迎える」という空気を作るのは
お店のスタッフさんや店長さんの心一つです。
誰だって、お店にとって席数の確保は大切なのことは理解しています。
できないことはできなくても、一人の「大切なお客様」として、
丁寧に扱う姿勢を言葉で表せば、
「なんて気配りの聞いた良い店なんだろう」と思うものです。
と、いうように、実は、通路が広めなだけで、狭くても気配りの利いた店は、それだけで、すでにバリアフリーなのです。
ぜひ、ちょっと、通路幅…を意識し、テーブルやイスを配置したり、接客をしたりしてみて下さい。
お店の雰囲気の風通しがよくなりますよ!
2019.10.21