vol.8「すみません」ではなく「ありがとう」で切り返す〜れいわ新撰組で当選 舩後靖彦さんの街頭演説から

当選したら、“ヘルパー派遣”が利用不可に!?

昨日行われた参議院選挙で、れいわ新撰組新人 舩後靖彦さん(61歳)が当選しました。舩後さんが国会議員になることで、国会のバリアフリー化が進むこと、そして、障害福祉にかかる法律へのダイレクトな提案・アプローチが行われることに心から期待しています。(自分の1票が当選のお役に立ったと思い、素直に嬉しいです)

舩後さんの街頭演説動画を毎日新聞社サイトで見ました。

街頭演説する舩後さん写真

街頭演説する舩後さん 毎日新聞サイトへリンク

「もし、ぼくが当選したなら、今利用している障害福祉サービスは受けられなくなります。

なぜなら、自立支援法と言いながら、

職場にヘルパーがついてゆくことは禁じられているからです。

障害者は働くなということでしょうか?

この部分は絶対に変えなくてはなりません。」

え、禁止!?と思いますが、これは、事実で、その根拠を厚生労働省の資料「障害者等の移動の支援について(平成27年7月14日)」から見ると

*人員・財源の制約などから(P3)

*多大な財政負担が生じるので はないかとの意見もあり…(P11)

との理由から

「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出」は禁じられているのです。

「社会通念上適当でない外出」の例としては他に、風俗やパチンコなどが挙げられたりします。

結局、障害者自立支援を謳いながら、自立するために働こうとした時に、働くことは重度の障害がある人には贅沢…と言っているような、なんとも矛盾した決まりになっているのです。

しかも、“財源の制約”や“多大な負担…の意見もあり”というのは、人一人の運命を決するのに対し、なんともぼやっとした根拠だな感じるのは私だけでしょうか。

「すみません」ではなく「ありがとう」で切り返す

ちょっと話が逸れるかもしれませんが、このぼやっと制約される感覚に近い経験がありました。

それは、私の会社の行政書士をしてくれている友人の K君(脊髄性筋萎縮症 電動車いすユーザー)と一緒にワインの美味しいお店で食事した時の話です。

訪れた時はそれほどでもなかったのですが、帰る頃には週末の食事を楽しむお客さんでごった返していました。冬だったこともあり、椅子の背にコートやショール、マフラーをかけていて、通路がかなり狭くなっていました。

私は、K君の前を行き「すみません、車いすの人が通ります、空けて下さい…すみません」と言いながら、手刀をきりつつ、腰をかがめて進みました。すると、ズッとという音と共に通路沿いのお客さん達は椅子を引いてくれます。「すみません、すみません…」と言って進む内、私は「あれ?」と、思いました。「なんで私、謝っているんだろう?」……ぼやっとした制約下にいる自分に気づいたのです。

その瞬間に行動を変えました。

背筋を伸ばし、堂々と「車いすの友人が通りま〜〜す!空けて頂けませんか、あ、ありがとうございます!助かります!」

同じように、お客さんは、椅子を引いてくれるだけなのですが、前半はどこか義務的だったのが、後半は「いえいえ、どうぞ〜」的な空気になったように感じました。

障害がある人が通路を通ることに謝る必要はないですし、障害がある人が働こうとする時に、自立支援を支えるために作られた法律でぼやっとした遠慮から禁止する必要もないのではないでしょうか。

舩後さんが国会議員として直接発言して下さることで、こうした法律の不備や不整備を正してゆかれることに心から期待とエールを送ると共に、

「すみません」ではなく「ありがとうございます」と、行政側も堂々と、自立支援するという目的達成に自信と根拠をしっかりもって対処する。文句を言いそうな人には、爽やかに堂々と切り返す。そんな柔軟な対応が社会に広がることを願っています。

2019.7.22

 

・毎日新聞社サイト:舩後さん街頭演説https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190721/k00/00m/010/350000c?fbclid=IwAR1HZwrpOOXmQBWw3523y_H2NSJlcosdUXOIiXWOOrozF2WRKDm-tR3IXxc

 

・厚生労働省の資料「障害者等の移動の支援について(平成27年7月14日)」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000091252.pdf

 

 

 

 

 

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