vol.16 視覚障害は“全盲”ばかりではありません

全盲の人は1~2割  視覚障害がある人の多くは「弱視」

“視覚に障害がある”と聞くと、全て「全盲(まったく見ることができない)」と思っていませんか?白杖を持って歩く人

実は、視覚障害で「身体障害者手帳」を持っている人の内、全盲の人は、1〜2割と言われていて、およそ7〜8割の人は「弱視」です。

弱視というのは、

・視界の一部分や複数箇所が欠けていたり、ぼやけている。

沖縄のシーサー オリジナル

沖縄で出会ったシーサー

・視野が極端に狭い(“トイレットペーパーの芯から除いている位の範囲しか見えない”など)

・視界全体…もしくは部分的に磨りガラスがあるようにぼやけていて、モノの輪郭が捉えられない

・明るい日中はぼやけてでも見えるが、日暮れ頃からは全く見えなくなる…という人がいれば、暗い方が見える人もいる。

などなど、人によって症状も様々です。

「部分的にでも見えているならいいじゃない」と思うかもし

れませんが、コトはそう単純ではありません。弱視シミュレーション

知らないからこその周囲の「誤解」が一番のバリア

例えば…

・目の焦点のど真ん中が見えない「中心暗転」の人の場合、正面にいる人の顔を見ようとすると、顔をやや横向きにし、横目で見ます。端からみると、まるで流し目をしているように見えて、「気があるのでは?」と、誤解される。

・モノの輪郭が分からない位 視界がぼやけている人であっても、瞳はぱっちり開き、眼球も動きますので、外見上は、見える人と変わりません。白杖を持ち、バスから降りる時に身障者手帳を出しても、「障害者のふりをしている」と誤解されたり。

・新聞を読む時など、一つ一つの文字は読めても、ページ全体を見渡せないので、記事がどこに繋がっているのか分からなかったり、書類に書かれた文章も、一字一字読むため、全体の流れがつかみづらく読み終わるまで時間がかかり、周囲の人がイライラする。

「視覚に障害がある」と言っても、人によって様々なのです。

見えるように見えても、「あれ?」と思うことがあったら、グズグズして!などと、思う前に、弱視かも?と考えて見て下さい。

それが職場なら、どんな周囲のフォローがあると作業しやすいか、困らないかを話し合って探り、互いに知らせあったり、フォローマニュアルなどを作るのも良いですね。

全盲ではない、弱視という視覚の不便もあることをぜひ知って下さいね。

2019.8.1

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