vol.60 目でパソコンを操る
目でパソコンを操作する「視線入力装置」
先週でかけた国際福祉機器展には、
車いす、義手・義足、歩行器…などなど、病気や障害により阻害された、ヒトが日常行う“動作”を補う装置も数多く出展されていましたが、中でも、ぜひ一度見てみたいとみたいと思っていたものの一つが目線でパソコンを操る
「視線入力装置」でした。
難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)やSMA(脊髄性筋萎縮症)などは、手足・のど・舌の筋肉、体幹や四肢の筋力が衰えてゆく難病ですが、実は、視力や聴力は保たれることが多く、残された“自らの意思で動かせる”機能である「視線」はまさに、最後の砦。
現代のテクノロジーが実現する、目線でパソコンを操る装置とは、いったいどういったものなのか(株)クレアクトさんのブースで体験させて頂きました。
まずは、私の目線を記憶させる“キャリブレーション”を行いました。
視線を読み取る装置は「PCEye Mini(ピーシーアイミニ)」といって、お箸位の長さのスティック状の装置。
パソコンの画面上に現れるいくつか○を目で追い、PCに記憶させて行きます。
かかった時間は、1分ほど。
後は画面上に現れるボタンやキーボードの文字を、同じ場所を1秒見続けると1クリックに相当するよう設定してスタート!
試しに「ありがとう」と入力してみました。
ご覧の通り、初めての私でも、本当に簡単に操作できました。
ヒトにとって、自分の意思が伝えられる…ことは、生きて行く上で必要不可欠。
しかして、この視線入力装置は、“意思を伝達する”という範囲を大きく飛び越え、現代のテクノロジーはこんなことまで可能に!
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(吉藤オリィさんのFB投稿より)
吉藤さんが、この姿で走行してゆかれるのを会場で目撃しました。
装置や道具がなかったら“障害者” 。有れば…?
私の両眼の視力が0.06で、もし眼鏡がなかったら視覚障害者と呼ばれていたでしょう。
しかし、眼鏡があることで、障害が障害でなくなる…補う装置・機会・システムがあれば、障害に障害されず、日常生活を送ることができる。
こうした技術によって、障害があるから…と、諦めずにすむ未来がどんどん広がってゆく…開発した技術者の方々の気づきと努力に深い敬意をお伝えしたい!
しかし、昨日からの繰り返しになりますが、せっかくの技術や装置も、知らなければ無いのと同じになってしまいます。みんなで知って発信して参りましょう!
2019.10.1
(株)クレアクト www.creact.co.jp
アシスティブ事業部 電話03-3442-5401 fax 03-3442-5402
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