vol.75 「0円からできるバリアフリー」その3〜高さと置き場所〜ユニバーサルな“配慮”
高さに注目!かさあげするアイディア色々
昨日のテーブルの“配置”についてのお話からの、今日は、“配慮”について。
どのお店でもテーブルの高さは決まっていますが…
実は、車いすの人がテーブルにつくとき、アームレストという肘掛け部分がテーブルにぶつかってしまい、近づけない場合があります。
そういう時は、ほんの3〜4㎝ほどかさ上げするとぐっと奥深くまで進むことができ、快適に過ごすことができるようになります。
テーブルのかさを上げる!?さぁ、どうしましょう。
ホームセンターなどに売っているレンガを4つ用意するのも良い方法かもしれません。
あるお店では、もう捨てるつもりで積んで置いた雑誌の「ジャンプ」をかませて対応した…なんていう、機転のきいた話も聞いたことがあります(笑)
北海道の南の方にある乙部町という街の、とあるレストラン兼居酒屋さんでは、ご主人の大工の腕を活かし、写真のような高さを2段階で調節できる“足”を用意していらっしゃいました。
なぜ用意しているのかを伺ったところ、車いすの常連さんがいる他に、実はこちらのお店では、お弁当の仕出しもしていて、沢山の容器を並べて、沢山のお弁当を盛り付けるのに、テーブルをかさ上げすると、手伝う家族の腰が楽ということでした。
一石二鳥!
昨日の幅に加え、もう変えられない!と思い込んでいる“高さ”に意識することも素晴らしい「0円バリアフリー」。
サービスの幅が広がる、配慮のバリアフリー
また、カフェや喫茶店での短かい滞在では少ないかもしれませんが、しっかり時間をかけて食事をするお店の場合、車いすの人の中には、お店のイスで食事などを楽しみたいと思う人もいます。
なので、一言、「店のイスに座ってお食事されますか?」と伺うのはまさに一歩進んだ「分かってる〜!」サービス。
※車いすからイスへ乗り移るのをお手伝いする簡単な方法については後日!
そのように、乗り移った場合の車いすや、ベビーカーを押して来店した人、キャリーバッグをもった観光客には、その置き場所なども用意しておくと喜ばれます。
札幌の狸小路にあるレトロ空間が人気の古い喫茶店では、昔「公衆電話」として使っていたスペースを利用し、キャリーバッグ置き場にしているのを見たことがあります。
ちょっと意識して、店内のどこか…または、バックヤードなどに、そうした場所を確保しておくのも素晴らしい気配りとなります。
今や外国人観光客を意識した接客はどこでも欠かせない状況ですよね。
(札幌には来年、突然オリンピックも来る!)
そうした配慮は、まさしくバリアフリー的な「かゆいところに手が届く配慮」。
メニューの工夫などにプラスして、さらにお店のサービスの幅を広げませんか?
2019.10.22