vol.102 冬になると道が消える北海道
道が消え、段差が出現!
いよいよ今年もわが街・札幌も一面雪に覆われる季節になりました。
雪というと、本州の皆さんは、ふわふわしている柔らかいもの…と、思うかもしれません。たしかに、降ったばかりの時はその通りで、無数の雪の結晶がふんわりこんもり…まるで真綿のように見える時もあります。
が!
気温の変化で溶けて凍って、踏み固められ…を繰り返す内、すぐに真綿はガチガチの氷へと変化します。
するとどうなるか。
そう、道が消え、段差が出現するのです。
道が消える…とは?
目の不自由な人にとっての道しるべである黄色い点字ブロックが雪に埋まってしまい、夏場、普通に通っていた道が、
車いすやベビーカー、キャリーバッグを引いて歩行・通行が出来なくなるのです。
ところどころロードヒーティングになっている所もありますが、
実は、これもくせ者で、ロードヒーティングが敷設されているところとされていない所の境目にそれはそれは巨大な段差が出現するんです。
冬にしみじみ感じる地下街のありがたさ〜今、不自由を感じている人の声を未来へのヒントに
ご存じの通り、札幌の中心部は、地下街が発達して、JR札幌駅〜すすきの間の約2㎞は地下を歩いて移動できます。
だから、冬になるとみな地下へ潜り、札幌都心部の地上は閑散とした雰囲気になってしまいますが、どっこい、地下へもぐると、ものすごい数の人が往来している…もぐらタウンへと変貌します(笑)。
特に大通りからJR札幌まで地下歩行空間ができた2011年からは、都心部においては、車いすでの移動も楽になり、多くの体に障害がある人も街にでかけやすくなりました。
今、さらに新しく地下歩道を掘る計画もあったり、これまで入り口が階段になっていて、車いすでは使えなかったトイレもバリアフリー化される工事が近いうちに実施されることになり、益々、都心部がフラットなってゆきます。
いくら夏場にバリアフリーでも、季節によって道がなくなる…環境が激変する北海道にも障害がある人達が暮らしています。
どれほどの苦労をしていらしただろうと、冬になると思います。
皆さんの苦労を知ることは、より多くの人に住みやすい街へ変える、未来へのヒントになる…本当にそう思うのです。
2019.12.2
余談ですが…
地下街に古くからあるトイレのほとんどが、入り口に階段があり…なぜ?と思っていました。それは、旧式の和式トイレが主流だった頃は、便座の下に配管を巡らすために床をかさ上げする必要があり、その関係で入り口に階段を設ける形になっていたこと、それが洋式トイレが主流となった今は、床下配管が不要になり、バリアフリーにできることを最近新聞で知り、納得♪