自分なんかがバリアフリーを語って良いのか no.141

何を今更!?というテーマで失礼します(笑)。

起業して今月4月25日で1年となりました。

バリアフリー環境コンサルやバリアフリーコミュニケーションのセミナー・講演事業の他、

スピーチ・プレゼンに関するアドバイス、コーディネートなどをさせて頂いております。

 

このような弱小企業にも新型コロナの影響があり、予定していたお仕事は、春以降、

一つ、又一つとキャンセルになり、ほぼスケジュールは白紙状態。

日本中、北海道中、札幌中の人々が苦しい状況にいる中、自分もまたその一人である、

一員であることが唯一の慰めという変な感じです(笑)。

静かな時に思います。

ラッキーエースさん by PhotoAC

「自分なんかがバリアフリーを語って良いのか?」と。

正直、学生時代にボランティアをした訳でも、大学で福祉を学んだ訳でも、

福祉事業所に勤めたこともありません。

NHK札幌でリポーター兼ディレクターをしていた時代に厚生文化事業団委嘱の「福祉リポーター」に指名されたことを皮切りに、取材を通して、様々な障害当事者の皆さんと知り合い、学ばせて頂き、福祉現場の現実を知りました。

そこで、当時(約20数年前)バリアフリーを一歩進めた考え方と言われたユニバーサルデザインという概念に出会い、UDをテーマにした番組をuhb北海道文化放送に提案する機会を得て、

2001〜2014年までの13年間約650本の番組を制作した…だけの人間です。

取材は所詮「つまみ食い」。

単に知ったような気持ちでいるだけではないのか?

痛みを知らず、自分の身を削ること無く分かったような気になっているだけではないのか。

時々、足元の不確かさ、福祉的アイデンティティの希薄さにおののく時があります。

 

しかし、その福祉に私自身が助けられたことがありました。

 

4年前に父を自宅で見送りました。

父は、癌をわずらい、手術後に人工肛門(ストーマ)を増設しました。

母と二人、手分けしての看護・介護でしたが、その取材経験がどれだけ助けになってくれたか知れません。

障害者手帳の申請、福祉制度の利用、ケアマネさんや訪問看護の医師や看護師さん、病院との話し合い…

全てが初めてながら、どこか動じずに、先を見通して、最後まで走り通すことができました。

身体に不自由がある場合、人はどのようにその不便や困難と共に生きるのか、

その姿を沢山沢山見せて頂いたお陰でした。

父に、先におとずれるだろう状況を説明し、障害があることは特別なことではないこと、きちんとサービス利用すれば、

日常生活を営むことが可能であること。

福祉は、施すものではなく、人生に寄り添っているもの。そして、利用すべきもの。

多くの乗り越える知恵がその時発揮されました。

なんだかとりとめない話になってしまい、恐縮ですが、

今、意識していなくても、福祉が必要な時は必ず訪れます。

意識するときが必ずやってきます。

超高齢社会の日本にこそ、今後不可欠になる情報を私は多数頂戴し、ストックしていることを

もったいないと思い、これからも発信していきたいと思います。

2020.4.28

 

 

 

 

 

 

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自分なんかがバリアフリーを語って良いのか no.141” に対して4件のコメントがあります。

  1. 手塚玄 より:

    山田さん読ませて頂きました。草の実会、手塚です。
    まず結論から。
    この国の福祉について、一番必要なことは、あなたのように、福祉に関して見えてきたことを、感じた通り語る人がもっともっとたくさん必要だということ。だから、語っていいのか、ではなくたくさん語っていただきたいです。「実際を知らないのに」とか、「働いたことも無いくせに」とか「少し聞いたくらいで解ったように」とか否定的な意見も出てくるかもしれないけど、そんなことは気にしないで。
    あなたが言うように福祉は施されるものじゃなく、寄り添うものだし、活用されるべきもの。そこを未だ勘違いしている関係者がたくさんいます。「素人が口出すことじゃない」「専門家に任せておけばいい」という意見もありそうですが、そうして、当事者の人権が踏みにじられていくと思います。
    誰もが障害者になりうる、とよく言われます。だからみんな当事者です。福祉のプロとか、福祉を学んだとか、今当事者か、に関わらず、気付いた人が問題を指摘し、改善していかなければこよ国の福祉は、いくらたってもよくなりません。誰もが当たり前に自分の人生を生きることなんか出来ません。
    この国の福祉政策と福祉事業をより良くしていくためにも、普通の人がもっともっと意見を言うことが大事です。ましていろんな現場や問題を見聞きしてきたあなたは、その経験を元にどんどん物申して欲しいです。よろしくお願いしますよ。

    1. barrierfreefront より:

      手塚さま。
      もう、この有り難い気持ちをどう表現したら良いのか分からない位…もったいないメッセージをありがとうございます!「私などが語って良いのか」と、いつも思っていますが、だって、福祉って、自らの障害を乗り越え、つきあい、共存している方々の知恵や人格って、本当に、社会の宝だと思っています。知ったからには伝えたい!という気持ちばかりです。手塚さんの言葉に勇気を頂いて、これからも、ほどよく積極的に、そして謙虚な姿勢を忘れずに発信して参ります。どうぞ、間違った方向に行っているようでしたら、遠慮なくお叱り下さい!。本当に、本当に、ありがとうございました!

      1. 手塚玄 より:

        そうなんです、社会がすみよくなるとか人との関係が良くなろということは、誰かがしてくれることではなくて、一人一人がそうなるように発言し行動しみんなでより良い方法を見つけ出して行くことだと思います。そのことに障害者だとか今は元気な人だとか経験しているとか知識があるとか関係ないと思います。そうなりたいという思いがあるだけで十分だと思います。この国はそんな当たり前のことができづらくなってるように。もっとのびのび生きたいですね。

        1. barrierfreefront より:

          手塚さま。重ねてのメッセージ、本当にありがとうございます。みんな優しくありたいと思っているのに、“知らない”ことにはとことん二の足を踏み続ける…自分や家族が当事者になって初めて見えて、悲しんで、怒りを感じて…という、岸のこっち側と向こう側に別れてしまうサイクルを少なくしたいです!

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