世界がまだ見ぬ“最新バリアフリー”ボールパークへの提案②〜トイレ編 no.127
ボールパークさんへの提案その2は、トイレについて。
こちらも、駐車場のラージエリアとレギュラーエリアに分けて考えてはいかがでしょうか?…という提案です。
現行のバリアフリー法での設置基準をみると…
〈施設等〉
1階の便房の総数が200以下の場合は便房総数の1/50以上、階の便房の総数が200を 超える場合は便房総数の1/100に2を加えた数以上の車いす使用者用便房の数を設け ているか。
いわゆる“車いすの人が使えるトイレ”の数は、駐車場の設置数の目安と同じですね。
で、“車いす用”と聞くと、皆さんが思い描くのは、
2m×2mの正方形の形をした こんなトイレではないでしょうか?
最近の新しい施設で「車いす用」だけを設置することはあまりなく、いわゆる
多機能トイレと兼用するパターンがほとんど。
多機能トイレというのは、いわゆる
「オストメイトの人用」「ベッド」「ベビーチェア」「手洗い」などがセットになったもので、近年、利用が集中するため、車いすの人が使えないという問題も。
車いす用と聞くと、広くなければと思いがちですが、人一人が便座に乗り移って用を足すのは変わらないので、実は、こんな形でも使用できます。
脇に手すりなどがあれば、自分で乗り移って用を足せます。
一般のトイレがこちら。
要するに、一般のトイレより幅を10センチ程度広くし、入り口の幅も80㎝確保すれば
細長いトイレでも使えるのです。(ちなみに築60年以上の古い一般住宅の我が家のトイレは、横90×180㎝)
車いすで入れるとベビーカーも一緒に入れますよね。
じゃ、なぜ、通常の車いす用は2m×2mなのか?というと、それは、
ぐるりと回って正面から出るのを想定した形になっているから。
なので、突き当たりの壁に鏡を設置するなどして後方を確認しながらバックで出られるようにすればOKという訳です。
実際、新千歳空港の国際線ターミナルビルは、
一般トイレの幅と奥行きを広げることで、車いすの人も使えるようにしています。
介助が必要な車いすの人には…「横開きトイレ」
ただ、車いすから便座に乗り移るのに介助が必要な人の場合は、介助者が入れる空間が必要になります。そうした場合は、
こんな感じの「横開き」が便利。
用を足す時に扉を閉め、外で介助者が待こともできます。
また、細長いトイレの場合は、よろけた時に転倒するのを防いでくれたりも。
巨大施設の全部ではなく、数カ所のトイレを横開きのボックス式ばっかりにすると、さらに一般の人と共用できる可能性が広がります。
(そうしたトイレは、トイレを壁に集め、センターに手洗い場を設けるとかも有り?)
もちろん、ベッドが必要な人には、通常の多機能トイレは必要ですから、最低限の数は設置する。
しかし、やはり、球場のような場所は、できるだけ短時間に多くの人が用を足すのをさばく必要もありますから、
通常のずら〜っとボックスがならぶピットイン方式をレギュラートイレとし、
全体の何割かを、幅、奥行きを広めにとったトイレや横開きトイレを作れば、
身体に障害や不自由がある人も、子供連れも、介助者と一緒の高齢者も快く迎え入れる施設を作ることができるのではないか…と、思うのです。
数さえ用意すれば、「並んだ順」。
「共用」できる形で
機会を平等・均等に近づければ、「特別感」と「疎外感」のギャップも減るのではと思うのです。
2020.2.28
〈後日補足・・・・・〉
上記の記事を書いた後、2020年3月4日に
「だれでもトイレ増えてます『入る苦痛』を解消したい 」という記事を朝日デジタルで読みました。
読んで字のごとくLGBTの人に配慮した「誰でも入れるトイレ」は、東京オリパラの競技施設の他、学校やNTT東日本など大手企業でも導入するところが増えている…と、文中で紹介されています。
トイレばかりは、「使えない」というのは何よりも辛い…
深く広い配慮が今後一層求められてゆくでしょう。
それだけに、
「誰のため」という個別にカスタマイズしたトイレを増やすのか、
共用できるカタチをさぐってゆくのか…SDGsの観点からも…後者のように思うのは私だけでしょうか?
今後もしっかり考えてゆきたいと思います。
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記事→https://digital.asahi.com/articles/ASN3343DZN2PUHBI034.html?ref=amp_login&fbclid=IwAR2YCXlEarZl043nC637cDUu8bTqUj5dRiaFZE4Kl9IbvBkt8vUjL7zmEnU