vol.44 テクノロジーがバリアを低く〜筆談に代わるアプリ「こえとら」「UDトーク」
「筆談します」
銀行の窓口、最近は、バスなどでも見かける「筆談いたします」の表示。
耳の不自由な方へのサポートですね。
平成28年4月1日からスタートした「障害者差別解消法」によって、お店などサービスを提供する事業者は、
“正当な理由なく障害を理由として差別することを禁止”し、
障害がある人から何らかの対応の意思を伝えられた時、
“負担が重すぎない範囲で対応する(合理的配慮)”
努力をすることが求められることになりました。
「筆談します」も、そうした合理的配慮の一つかと思います。
頼りになるアプリが続々
ペンと紙で行う筆談も、最近のテクノロジーによって様変わりしてきています。
携帯やタブレット端末で使えるアプリに、“筆談”に代わるコミュニケーションを助けるものがいくつか出てきています。
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が、独自の音声認識技術と音声合成技術の粋を結集して作った「こえとら」
最近、大きな会場でおこなわれるシンポジウムなどで、要約筆記や手話通訳に代わって使われ始めた「UDトーク」
が筆者が知る2大アプリ。
「こえとら」の音声認識する精度はかなりのもので、
*話した言葉がそのまま文字化されて画面に表示される
*文字を打ち込むキーボード
*グーグルマップのような地図と連動したページ、
*画面に手書きできる文字通り筆談ができる
など、耳の不自由な人とのコミュニケーションを助けることに特化した機能がフルパッケージされています。
聾学校の子供達と一緒に作ったというオリジナルの絵文字も可愛いのです♪
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また、「UDトーク」は、スマホでひろった音声をその画面に文字として表示するだけでなく、プロジェクターなどで大画面にも投影できたり、外国語にも翻訳してくれたり(こちらの精度はまだちょっと課題がありますが)と、
徐々に導入するシンポジウムなども増えて来ています。
テクノロジーの発達で、“情報コミュニケーション”のバリアは、ぐんぐん低くなって来ています。
札幌における銀行やバスの事業者さん達は、こうした新しい技術を知っているかしら?
メッセージボードの他にもう一つ、そうしたアプリを使うことも選択肢の一つに取り入れ、「重すぎない合理的配慮」が「軽〜い配慮」になってほしい。
「お客様の声」などに投稿してみようかしら。
2019.9.9
参考:
○「障害者差別解消法 リーフレット」https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/sabekai/leaflet-p.pdf
○こえとらHP https://www.koetra.jp
○UDトーク https://udtalk.jp