vol.15 平等意識偏重からくる遠慮推奨? 今、熱い「働く場所へのヘルパー派遣不可」議論
今、熱い「ヘルパー派遣不可」議論
れいわ新撰組からALS患者の舩後靖彦さんと木村英子さんが当選したことで、
今、ネット上では、これまでずっと棚上げされてきた
「働く場所へのヘルパー派遣不可」についての問題が熱く議論されています。
「なぜ仕事中や学校でヘルパーが使えないの? 障害者を生きづらくさせている日本の障害福祉制度」に、
コトの問題点と現状が丁寧な取材に基づいた文章でまとめられていますので、関心がある方はぜひご一読下さい(写真をクリックするとサイトへ飛びます)。
この記事の中には、
・重度の障害がありながら働く意欲を失わず、懸命に個の努力でなんとかしようとしている障害当事者の方の姿
・弁護士が“利用不可”に対する法的根拠無さを指摘していること
・さいたま市が、国を動かそうとしても果たせず、独自に支援する制度を作って対応した
ことなど、法、権利、根拠、努力…あらゆる方向から手を尽くして風穴をあけようとしてきことが詳述されています。
日本人独特の平等意識偏重からの遠慮推奨?
しかし、そのように八方 手を尽くしても変えられないオオモトの素が
厚生労働省告示「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く」という制限。
結局、「想定できる範囲(最低限の衣食住)外の活動にヘルパー派遣を国がみとめたら、どれだけお金がかかるか分からないから。それを不公平とつっこまれたくないから」という理由なのだと思います。
しかし、
日本国憲法第25条「(前略)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」をもって、
国は、そうした突っ込みに対し、
「いえいえ、憲法で保障されてますから」と、堂々とかわす姿勢を持つ覚悟をすれば良いだけの話だと思います。
福祉に対しては、“施すもの=特別扱い→不平等”という、
日本人独特の
無言の平等意識偏重からくる遠慮推奨という重力も働いているように思います。
舩後靖彦さんと木村英子の当選を受け、今、国会の議場を、急ピッチでバリアフリー化する工事が進められています。
歴史有る国会の議場に工事のノコギリを入れるのと同じように、
あやふやながら、岩盤のような告示にヒビが入り、一気に瓦解へとつながるよう願っています。
2019.7.3
Buzz Feed News 岩永直子さんの記事
「なぜ仕事中や学校でヘルパーが使えないの? 障害者を生きづらくさせている日本の障害福祉制度」
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/nazeyadeherupagaenainookidurakusaseteiruno?fbclid=IwAR0tuq5uwxsexsBUoL7ns4DiDkAIDaeNnyS7o7POGEnnmgc0OHOlR5HvKoA