vol.41 目の不自由な人をご案内する方法

困っていないようなら、なんとなく「見守る」

先日、地下鉄駅で、次の電車を待っていました。

大通り公園駅という、3つの地下鉄が乗りいれている札幌市中心部の駅でした。

白杖を持って歩く人

はじまりのうたさんbyPhotoAC

ふと気がつくと、隣のドアの列付近に白杖を持った目の不自由な男性がいらっしゃって、ホームドアに添ってたたずんています。帰宅時間ということもあり、ホームは徐々に人で溢れていきました。

電車がやってきて、沢山の人が降りた後、いよいよ乗る乗客がドアに向かって動き始めます。その男性も人の波に乗って、上手に乗車したようでした。

見ると、ドア付近の手すりにつかまってその人は立っていましたが、直ぐ横の「身障者専用席」に、空席があります。

(※札幌の市営地下鉄では、「優先」ではなく「専用」と表示しています)

私は、軽く人をかき分けながらその人に近づいて行き、声をかけました。

私「こんばんわ。同じ電車に乗り合わせた者ですが、すぐ近くに空いている席がありますけど、ご案内しましょうか?」

男性「そうですか、ありがとうございます。お願いします」

私は「こちらの手、失礼しますね」と言って、かるく白杖をもっているのとは逆の手にまず軽くふれながら言い、男性がうなずくのを見てから、その手を私の腕の後ろ側へ誘導してつかんでもらい、数歩、空いている席の前まで一緒に歩いて移動。

「こちらです。空いている席の正面まで来ました」と言いながら、男性の背中に手を添え、座席前に押し出しながら、自分は後ろへ。

すると、男性は、白杖でトントンと空いている座席を軽く叩いて確認し、ご自分でストンとお座わりになりました。

男性「ありがとうございます。今日はどちらまで行かれるんですか?」

私「すぐ次の札幌駅で降ります。どちらまでですか?」

男性「麻生までです」

私「そうですか〜。あ、着きました。それでは、どうぞ、お気をつけて」

男性「はい、どうも〜」

“まず声をかける” そして、“決して引っぱらない”

目の不自由の人を案内する時は、白杖をつかんで引っ張ったりせず、白杖を

持っていない方の手で軽く自分の肩か腕をつかんでもらい、一緒に歩く…だけでOKです。

そして椅子に案内する時ですが、今回の男性は地下鉄には慣れていらしたようなので、ご自分でトントンと叩いて、座る座席を確認なさっていましたが、

空いている椅子の前まで歩いて行って、自分の腕をつかんでもらっていた相手の手をとって、「こちらです」といいながら、座面や椅子の背に触れて貰います。

すると、目の不自由な人自身で座る場所と高さなどを確認し、ご自分で座ります。

ここで決して、無理に肩を押したり、腰をひっぱったりして座らせよう…とはしないコト。目をつむった状態でそうされると、そこに椅子があると分かっていても、奈落に落ちるような恐怖を感じます。

(一度誰かにしてもらうと、分かります。ホントコワいです!)

私は、時々、全盲の友人と落語を聞きに行き、終わると決まって近くの沖縄料理の店でいっぱい飲みます(そっちが目的じゃないか?って、は〜い♪)。

慣れていないとなかなか出来ないかも知れませんが、ちょっと頭の片隅に、

“白杖を引っぱらない”

“椅子にむかって引っぱらない”

を覚えておいて頂けると嬉しいです。

そして、方法が分からなかったら、ご本人に聞けば教えてくれますよ!

2019.9.4

 

 

 

 

 

 

 

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