vol.53 ユニバーサルデザインを伝える“講演”作り
しっかり伝わった感触がつかめない…
昨日、三重県四日市市から、伊藤順子さんが来札されました。
その目的は、
「小学生および一般の人へ向けたユニバーサルデザインを伝える講演を作る」こと。
合わせて、発声法や話し方、目線の持って生き方など、テクニカル的なプレゼンスキルの実技指導を受けるためでした。
伊藤さんは、地元四日市市で精力的にユニバーサルデザイン普及のために長年活動していらっしゃるNPO法人UDほっとねっとの理事長をしていらして、本業は建築士。これまでも数多くの講演をこなしていらっしゃいました。
なので最初に、「もと子さん、私の講演をなんとかして!」と、連絡を頂いた時は、「すでにベテランの伊藤さんに!?」と驚きましたが、
伊藤さん曰く
「これまでも何度か講演してきて、話すには話して来たものの、今ひとつしっかり伝わっている感触がつかめないの。色々な話術の達人の動画をYoutubeなどで見てコツをつかもうとしても、自分の個性に合わなかったりで、どうしていいか…」
そして、
「これを機にしっかりプレゼンの構成と資料を作り込んで、一つの完成形を作っておけば、NPOの他のメンバーも同じ資料を使って、もっと沢山の場所に講演に行ける。それで、ユニバーサルデザインの普及と収益アップにも繋げたい」
と、一回の講演にとどまらず、長期的な活動を見すえた意欲的なご希望で、私にとってもプレゼンとユニバーサルデザインという得意分野。
ぜひ、お手伝いさせて頂きたい!と、オリジナルのプログラムを提案させて頂きました。
講演の完成型を目指して…
本番まで1ヶ月半とのことで…
・テレビ会議システムZOOMを使っての、1回2時間のマンツーマン講義2回
・来札しての実技指導1回(実質5時間)
・最終仕上げのZOOM講義1回(2時間)
の計4回の講座。
最初の2回で、まずは伊藤さんが構想した講演をひととおり、パワーポイント(PPT)の資料を見ながら拝聴させて頂き、その上で、話の順序や進め方、PPT資料の改良方法をアドバイスさせて頂きました。
そして昨日、市内のリハーサル室を借りて、実際にプロジェクターに資料を投影しながら話して頂き、それをカメラで撮影。その映像を見ながら、話し方やpptの修正・追加作業をしました。
例えば、実際の言葉で、
「障害を気にせずに、誰もがしたいことをしたいと言える社会を作るのがユニバーサルデザインです」
と話す時、それをPPTにはどう表示したらいいか。
もちろんそのまま表示する方法もありますが、
画面に出す文字は、すっきり読み取れるようある程度要約する方がベターです。
結果、画面に出す文字は…
「誰もがしたいことをあきらめずにすむ社会=UD」
はどうでしょうか?と提案。
また、
ユニバーサルデザインに改修された駅のエレベーターやスロープなどを紹介する写真は、1枚のPPT画面に4〜5枚出すのではなく、1枚づつ全面で見せましょう…
教訓的メッセージは、文字フォントの「明朝」系で出すと、カタい感じやお利口さんな雰囲気になってしまうので、勘亭流(歌舞伎風の文字)などの筆文字風にすると、ちょっと面白い感じになって、子供達には楽しく見てもらえますよ…
など、一枚一枚を丁寧に検討していきました。
受講後、伊藤さんに感想を伺うと…
「自分が話す姿を見るのは、正直恥ずかしかったけど、見てみると、改善点がすごくよく分かった。まだまだ伸びシロがあるわね!(笑)」
講演の最初の本番は今月末。
伊藤さんのプレゼンは回を重ねる事に、どんどん精度が高まり、完成度を増してゆきます。
その端緒のお手伝いをさせて頂いたことは、私にとっても望外の貴重な機会となりました。
伊藤さん、お疲れ様でした!
いよいよ来週は、本番に向けての総仕上げ。頑張ってまいりましょう!
2019.9.20