vol.71 自分ゴトの「逃げるバリアフリー」〜日頃のコミュニケ—ションがいざという時モノを言う?

備える間があった今回の台風

今回の台風19号に関して特徴的だったのは、襲来する数日前からニュースやテレビ番組などが前もって避難対策についてかなり詳しく報じていたことです。

強風被害を想定した窓を目張りする方法は各局で繰り返し目にしましたよね。

それだけ今回は、災害に備える間がありました。

最初の頃は私の住む北海道も台風の進路に入っていましたので、ウチでも、お風呂に水を溜めたり、電池や懐中電灯、ラジオ、雨具などの避難グッズを確認したり、水やカセットコンロ、ボンベを買い足したり。

我が家の電池式ラジオ

いざという時はこれ!「電池式ラジオ」

一緒に暮らす母は膝が悪く、早く歩いたり、長く歩き続けることができないので、いざという時の避難は車しか考えられず、ガソリンも満タンにしておきました。

その母と朝ご飯を食べながら話していた時、

「Uさんにも声かけて一緒に避難しなきゃね」と。

Uさんというのは、ウチの通り一本向こうに一人暮らしをしている80数歳のおばあさんのことで、昨年のブラックアウトの時も、Uさん宅に行って無事を確認したり、不足しているものを聞いて買って届けたりしました。

日頃のコミュニケーションが一番の災害対策?

沖縄のNPO法人バリアフリーネットワーク会議さんが発行した「逃げるバリアフリーマニュアル改訂版(平成30年)」に、東日本大震災の時に犠牲になった障害がある人の割合が、NHKの調査で、健常者の2倍におよび、亡くなった人数全体の半数は高齢の方だったとの報告がありました。

逃げるバリアフリーマニュアル改訂版

「逃げるバリアフリーマニュアル(平成30年版)」。NPO法人のサイトから平成25年版のマニュアルがダウンロードできます!写真をクリック!

中でも興味深かったのは、NPO法人が実施したアンケートに、「車いすユーザーとの日頃の関わり」について聞いた質問でした。アンケート結果グラフ

Q.車いすユーザーについて見聞きしたことがある→A.ある98% なし7%

Q。車いすユーザーと実際にコミュニケーションをとったことがある→A.ある42% なし58%

要するに、車いすユーザーの存在は知っていても、60%近くの人が実際にコミュニケーションをとったことがないのです。

私の近所のUさんは、同じ地域に住む顔なじみであり、日頃お一人でカートを引きながら、ゆっくり歩いて買い物にでかける姿を拝見し、会えば「暑いですね」「寒くなりましたね」と、会話もします。

一方で、車いすで一人暮らしをしている私の友人で、近所の人との付き合いはほとんどないという人もいます。

災害で必要なことととして「自助」「公助」「共助」が言われますが、日頃近所の人とコミュニケーションをとっておくことが「自助」であり、それが「共助」につながるのかな?

日頃つながりのない人を慮るのは、緊急な時であればあるほど難しくなることは容易に想像がつきます。

日頃、いかに周囲とコミュニケーションをとっておくか…が、実は、一番の災害対策なのかな…と、今回の台風で思ったことでした。

2019.10.16

 

 

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