vol.84 分身ロボットで孤独をなくす〜吉藤オリィさん講演会

分身ロボットOrihime開発者 吉藤オリィさん

先週の土曜日11月2日に、吉藤オリィさんの講演会にでかけて来ました。講演会リーフレット

オリィさんは、分身ロボット「Orihime」の開発者として有名で、ぜひ一度お話を聞いてみたいと思っていました。聴講後の感想は…

いや〜、もう、本当に素晴らしかった!

何がって、その奇想天外な発想、発想を形にする技術力と行動力、そして、エッジの効いた外見に比して素朴で純粋な人柄…本当に2時間半があっという間でした。

人生をかけて研究するテーマは「孤独を解消すること」

印象に残ったことを箇条書きにて。

*本名は「健太朗」さん。健やかで太くておおらか…実際は、身体が弱く、細くて、神経質…実体はすべて正反対とのこと(笑)。

*現在31歳。生まれつき身体が弱く、視力は30歳までもたないと言われたそう。そこで、人生での活動期間を30年に定め、30年計画を作った。

小学校5年生から中2まで登校拒否からの引きこもりを経験。中学校の教師をしている父親への申し訳ない気持ち、友達を作れない寂しさを抱えながら思春期を過ごした。

*全ての発端は折り紙が得意だったこと!折り紙教室を主宰するほどの腕前で(現在名乗っている名前=オリィも折り紙から。)、お母さんが、「折り紙が折れるならロボットを作れるでしょう」と、申し込んだ手作りロボットコンテストで優勝

*そこで、“師匠”と出逢い、弟子入りを志望し、猛勉強して師匠が教鞭を執る高校へ進学。

*車いすの友達がいて、その友達の車いすに乗せて貰って遊んでいたら、大人に注意された…「眼鏡の貸し借りは何も言われることはないのに、車いすの貸し借りがタブー」というのに納得できず…電動車いすの新機構を独自に開発

*「高校生科学技術チャレンジ」で文部科学大臣賞受賞、世界第三位に輝いてからの早稲田大学へA.O入学(後に中退)。

*独特のファッションスタイル「黒い白衣」は自分でデザイン。スマホ、iPad、ペットボトル、傘…なんでも収納可能で、なにより裾の“なびき”がこだわりのポイント。話すオリィさん

*ご本人曰く、記憶力が弱く、2ついっぺんに質問されると最初の質問は覚えていない。忘れ物も多く、ボールペンは必ず三本買う。その心は、三本あれば、無くす確率が1/3になり、無くしたら見つける確率が3倍…合計9倍お得だから。

人生における研究テーマを「孤独を解消する」ことに定め、分身ロボットの開発を始める。

*ALSやSMAほか、重い病気や障害により外出が困難な人がネット回線を通じて分身ロボットを操り、居ながらにして出かけ、人々と出逢い、旅することを可能に。

*ALS患者の親友・番田さんと二人三脚でシステム「Orihime(オリヒメ)」を開発。番田さんは福島県在住で、システムを使い、東京オフィスのオリィさんの秘書として勤務。分身ロボットで海外でもスピーチするように(番田さんは4年前に逝去)。

*「Orihime」システムは、NTT東日本などで、職員が産休を取りながらでも出社し、仕事へ参加することで、復職までのギャップを生まないことにも活用されているそう。

オリヒメの実演

分身ロボットは心の車いす。心が自由ならどこへでもいける…という言葉が印象に残る。

* * * * *

超特急と呼ぶにふさわしいくらいオリィさんは早口でした。「皆さん、ついてきて下さいね」と言いながら、2時間半、駆け抜けるようにお話下さいました。

鋭い眼光…ながら、言葉の端々に優しく柔和な人柄がのぞき、

揺るぎない自信にあふれながらも、自分に欠けている性質や苦手を隠さず、ユーモアに富み、障害や病気に対する“自分も病んだ”立場からのやさしくフラットな視点…

おもわず前のめりになってしまうほど、内容の濃い、聞き応えある素晴らしい講演でした。

とんがった風に見える風貌から想像するイメージとは全然違いました(笑)。

日本の未来を鮮やかに拓いていってくれるに違いない吉藤さんの活躍に今後も目が離せません。

2019.11.5

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