マツダスタジアムのバリアフリー 〜最も進んでいるらしい! no.136
日本におけるユニバーサルデザイン分野の第一人者 川内美彦さんに伺うと、
広島東洋カープのホームグラウンド「マツダスタジアム」のバリアフリー的配慮がかなり良いとのことで…球団HPを見てみました。
マツダスタジアムでは、「バリアフリー」ではなく「ホスピテリティ」というカテゴリーにて、
そうした情報を提供していました。なるほど、かなり細やかに配慮されていました!
球団HP > マツダスタジアム > ホスピタリィ
上記の経路で進んでゆくと…まず、この画面が。
基本的に「ホスピタリティ=車いす対応」というスタンスのようです。
スタジアムという、段差などの物理的バリアが多い球場において、
“歩行が困難”を主眼に据えたサービスに重点を置いた感じであることが分かります。
このページの下にある「車いす/駐車場について」というボタンを押すと、そこに、とても詳しい全体的なバリアフリー対応情報が掲載されていました。
おお、なるほど〜!と、思ったポイントをまとめると…
*車いす席は一箇所ではなく、あちこちに配置。「砂かぶり席」も!
車いすで利用できるシートは、スタジアムのあちこちに展開していて、内野、外野に、砂かぶり席、ハートフルシートという7名のグループで利用する個室的空間も。
砂かぶり席については、視界が地上104㎝の高さまで遮られることが写真入りで解説されていて、細やかだなと思いました。
*電動車いす用AC電源へも配慮
その他、電動車いすの人にとって、時にバッテリー切れを起こすことがある時の対応のため、「AC電源については事前にご連絡ください」と表記されていたり…
*車いす駐車場は、利用状況別に分けてエリア分け
駐車場については、「ご自身の車いすを利用される方」を東側駐車場に、歩行が困難ではあるが、自分の車いすではなく貸し出し車いすを利用する人(=たぶん、自分で車を運転する、しない人で区分けしていると思われる)はJR側駐車場へ、そして、介護タクシーなど送迎車の場合は、「3塁側駐車場の乗降場所を利用ください」と、エリアを分けて案内しています。やはり、車いすと言っても、それぞれの利用状況を調べて配置しているのはなるほどと思いました。
*ホスピタリティスタッフが常時待機
また、車いすに限らず、球場内の移動などで困難を感じる人を人的にサポートするために、試合時間中ずっと、常時ホスピタリティスタッフが待機。
その利用規程には、できることはもちろん、できないこともきちんと書かれていました。
ちなみに、ホスピタリティスタッフは、他の物販やアミューズメントエリアのスタッフと同様に、食事つきでの給与の設定されていました。
*トイレマップを各階層で分かりやすく
どこに、ユニバーサルトイレがあるかも各階層ごとにマップにまとめられていて、事前に調べて行けるのも行き届いている感じがありました。
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駐車場利用、サポートスタッフの配置、トイレ利用…など、川内さんが「なかなか」とおっしゃる通り、きちんと状況を調べ、必要な配慮、サービスを考えいる姿勢が伺えました。
さすが、広島という街に溶け込んだ「市民球場」だけあって、球場内で予想される困難に先回りし、試合を楽しめるように、必要な配慮をきちんと提供しようという姿勢を形にしていると感じました。
また、それらの情報が、HP上にちゃんと紹介されているのも(少々、辿り着くのにコツは要りましたが…)good!
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北海道が誇る、新しくできるボールパークもぜひ、マツダスタジアムに負けない、
「まだ世界が見たことがない最新バリアフリーボールパーク」になってくれることを
信じたい!広島に負けるな!!!
2020.4.3