心の中の段差は2倍!?〜最善の近道を考える no.139
先日、北海道新聞を読んでいて、ある一文に目が止まりました。
「障害者はこれからなるか、今なっているかの違い」
札幌市東区にある地域自立生活応援センター共生舎の藤本さんという責任者の方のお言葉とのこと。
これは、以前、TEDトークという世界的スピーチ会で、病気で全盲となった後も建築士として活躍しているアメリカ人男性が、
「障害は、すでに気づいているか、まだ気づいていないかの差」
と語っていらっしゃったのと同じで、いずれも、
実に真実を言いあてた言葉だと思います。
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私は、TV番組制作の過程で色々調べる内、父がアスペルガー症候群であったことを知り、それと同時に自分もそうであることに40歳をすぎて気づきました。
生きてきた中で、自分と多くの他人が、感じたり考えたりすることに格段の差を覚えることが多々ありました。その理由が分かり、衝撃を受けると同時にほっとしました。
障害は、自分の外ではなく、中にある。
今は無いと思っていても、いずれ現れたり、気づいたりする。
まさに紙一重。
障害を自分事として想像できるか、出来ないかによって、バリアフリー観が変わるのです。
通常、自分に「障害はない」と思っている人は、福祉は、特別の配慮を必要とするプラスα(アルファ)なものだと思っています。
そして、「障害がある」人にとって、福祉は、生きる上で出来ないマイナスポイントを、「0(ゼロ)ベース」にしたい…と思っている。
例えると、
健常者はプラス10だと思っているところを、障害がある人がマイナス10だと思っている。
その差は20。2倍という訳です。
まずは、健常と思っている側が、当たり前にできていることが将来もできるか疑ってみる。
プラス10と考えるのではなく、足りていないのはどこか?と、マイナス視点に換える。
生きていれば、いずれ、身体が自由に動かなくなる時がやってきます。
その時に、0ベースを保った生活が出来ているためには、今、社会のマイナス点に気づいている人に
学び、共に改善することが、誰にとっても生きやすい社会=バリアフリー社会にする最善の近道なのです。
2020.4.14