時代は「みんなのトイレ」から「誰でもトイレ」へ? no.138

昨日、山形県のとある市で議員をしているTさんと話している時、多くの人が使うのにはどんなトイレが理想か…の、話になりました。

日本におけるユニバーサルデザインの第一人者 川内美彦先生も、こちらの3月25日のコラムにて…

ボールパーク提案検証② トイレについて no.134

 

川内先生近影

川内美彦さん(かわうち よしひこ)さん アクセスコンサルタント・一級建築士・工学博士 元東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科教授 2000年「第一回ロン・メイス21世紀デザイン賞」受賞。 ◆著 書 『ユニバーサル・デザインの仕組みをつくる スパイラルアップを実現するために』学芸出版 『ユニバーサル・デザイン -バリアフリーへの問いかけ』学芸出版ほか (写真は東洋大学webサイトより)

(男性用、女性用、LGBT配慮、車いす&ベビーカー用、オストメイト仕様など)

新国立競技場などで、国は機能を分散・細分化してゆく方針のようだが、それが良いのかどうか

判断しかねている…とおっしゃっていました。

するとTさんは、細分化という意味では今、話題になっているトイレがあるということで、教えて下さったのが、こちら↓東京新聞でとしま区民センターのトイレ。

豊島区民センタートイレを紹介する東京新聞の記事写真

豊島区民センターのトイレを紹介する 東京新聞の記事写真

記事を抜粋すると…

【としま区民センター 女性が安心 大規模トイレ設ける】

豊島区は二日、としま区民センター(東池袋一)二、三階に、公共施設としては「大規模に」整備した女性公衆トイレを公開した。トランスジェンダーも使えるトイレも設けた。

 二階には女性トイレが二十三室。パウダールームなどを含めると、

フロアの半分ほどを占める。ほかは、授乳やおむつ替えをできる親子休憩エリア「パパママ☆すぽっと」で、子ども用便器が並ぶ「おやこトイレ」を設けた。

コンシェルジュが常駐し、おむつやおしり拭きを無料で提供する予定。

 三階には女性トイレが十一室。障害者にも対応した多目的のトイレは二、三階に各一室性別に関係なく使えるトイレは三階に一室。男女それぞれのフィッティングルームもある。池袋に集うコスプレーヤーの需要を見込むという。

 

最後の「池袋に集うコスプレーヤーの需要」という件に、思わず「おお!」と思いました!

トイレとは、事ほど左様に人の営みに欠かせないものながら、非常に個別の使い勝手や目的の違いがあるもの。それだけに整備は本当に難しい!

にしても、細分化という方向で行くなら、もう、一つのビルまるごと「誰かが使えるトイレがある」文字通りのユニバーサルトイレ棟を作る方向でいくのかしら?と、思ったりしますが、

むしろ、入り口を一つにして男女すら分けず

*男性用小便器エリア(壁か何かで目隠しして)

*ボックスがずらりと並ぶエリア(ベビーカー&車いすでも入れる90㎝の入り口幅を確保)

*オストメイトトイレ&ストレッチャーで入れる多目的トイレ

*パウダールーム(個別に仕切りをつけ、男女誰でもが使えるように)

 

のように、トイレをエリア分けして、みんなして共同で使う…真逆の方向に進むか…。

まるで様々に思考を巡らしている内に360度まわって、多機能分散スタイルと共用スタイルがとなりあってしまったような…感じになる予感も。

社会がどちらの方向へ向かって進んでいくのか、分かりませんが、

結局のところ性別、身体障害の有無、LGBT、宗教上、利用目的など、様々な要因が増えれば増えるほど誰にとっても、快適で待つことなく使いたいときに使えるようにするのは、なかなかに至難の業。

分け合って、譲り合って使う人間自身のマインドが未来に向かって限りなくフリーになってゆくことを願わずにはいられません。

 

2020.4.10

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