vol.73 「0円からできるバリアフリー」その1〜すべての○○な人は…と考えるは間違い
絶好の機運?
一昨日、にわかに“札幌”がざわつきました。
そう、来年開催される東京オリンピックのマラソンと競歩が、もしかしたら、札幌で行われるかもしれない!?というニュースが飛び込んできたからです。
ちなみに、東京パラリンピックのマラソンはどうなんでしょうね
もとい、オリンピック・パラリンピックは、街のインフラを劇的に変えるきっかけになる一大イベント。先の札幌冬季オリンピックの際には、地下鉄や地下街ができました。
オリパラを機に街が変わる…この機運に乗じ、皆さんも今、ぜひ、バリアフリーを目指しませんか?
どさくさに紛れてなんてことをと、言うかもしません。
それは、バリアフリーというと…
・段差をなくしてすべての床をフラットにしなきゃ!
・ドアを自動にしなきゃいけない?
・エレベーターを付けなきゃ!などなど…
とかくお金がかかるものだと思われがち。しかし、実は、いきなりそうしたホームランを目指す方法ではなく、小さなヒットを積み重ねる
「0円からできるバリアフリー」で変えていくことができます。
「0円からできる!バリアフリー」
このコラムで少しつづ、そうしたハード面へのアイディアや、気持ちをバリアフリーにするヒントを「0円からできるバリアフリーメソッド」略して「0円バリアフリー」について
紹介していきたいと思いますが…今日はまず、その基本的な考え方から。
お店を例に説明すると…とにかく、「0円バリアフリー」は、
“入って” “移動して” “帰る” この3つプラス
“トイレを利用する”の4つで考えます。
「ウチは入り口に段差があるから即アウト!!」と考えずとも大丈夫です。
事前に、その段の高さはおよそ何㎝で何段あるのか?入り口のドア幅はおよそ何㎝なのか?
が分かれば、障害や困難がある人自身で、その段差を乗り越える方策を考えて来ることができます。
友達や家族と一緒に来たり、手が足りない時はお店の人に依頼する方法も。
もちろん、急な階段が何段もある場合は、断念せざるを得ないこともあるでしょう。
だからといって、すべてのそういった方々が文句を言うわけじゃありません。
誰だって、店の段差を急に削ったり、エレベーターを付けたりできないことは、見れば分かります。そこを「バリアフリーじゃない!」「差別している」と文句を言うのは、言う人の方に無理がある。
たとえば、それが、メニューにないモノを出せと無茶を言う健常者だったとします。
そして、その無茶振りをする健常者が、例えば“眼鏡をかけた人”だった時、
すべての眼鏡をかけた人がクレーマーだと思うでしょうか?思いませんよね。
断言します。車いすだからといって、全ての人が、段差をなくせ、エレベーターを付けなきゃ人権侵害だとは言いません。
ほとんどの車いすの人は、「自分が行きたいと言うことで、迷惑かける訳にいかない」と黙って遠慮しています。
クレーマー照準ですべての眼鏡をかけた人を警戒するか、そのお店の味を楽しみたいと思いながらも遠慮している気持ちに寄り添うのか。
接客業に携わる人の多くは後者であると私は信じています。
まずお店のあるがままの姿を示すことで、客側に入店できるかできないか、したいかしたくないかの判断を委ね、それでも来てくれる人に対し、できるだけのサービスをする。
難しいことじゃありません。一人のお客さんとして、当たり前に接すれば良いのです。
それが、「0円からできるバリアフリー」。
とはいえ、ちょっとしたコツが必要でもあります。
少しづつ紹介していきます。どうぞ、お付き合い下さい。
2019.10.18