vol.77 「0円からできるバリアフリー」その5〜多くの人に食べやすい食器
心おきなく食事を楽しめる食器
食器は、その形状によって、断然食べやすさが変わります。
人は年齢を重ねると、手先を動かす感覚が鈍くなったり、皮膚が硬くなったり…
齢50を越えた筆者も日々痛感しています。
スマホの画面をスワイプしてもうまく反応してくれないことも最近多くなりました…。
それだけに、食べやすい食器を選ぶにはそのカタチが意外に重要です。
【ナイフ・フォーク・スプーン】
指でつかむ柄の部分の断面が細くて丸いものだと、たとえおしゃれでも、指との接点が小さい分すべってしまい、刺したり、口に運んだり、すくったりするのが大変。フォークの場合、パスタをうまく巻けなかったりします。
そのため、柄の部分の断面が太めで平らに近いものの方が食べやすい!
【カップ】
コーヒーや紅茶をいれるカップの取っ手の部分にもご注目。
指が入らない形だと、指の先でつかむ必要があり、指の力が弱くなった高齢の方には、
特に熱いものが入っている時は、不安が伴います。しっかり指が入る形状の取っ手のカップを選ぶのもGoodな配慮です。
【コップ】
そして、水を飲むコップの形状にも。
まっすぐなコップより、やや末広がりな形のものが断然おすすめ!
それには2つの理由があります。
まず、末広がりなものの方が指がひっかかって持ちやすいこと。
そしてもう一つは、実は、まっすぐな形のコップだと飲む時にむせやすいんです。
それは、喉の奥にある気管と食道の位置に関係していて、まっすぐなコップで飲むときは、首をぐっと後ろに傾ける必要があり、その姿勢だと、飲み物が間違って気管に入りやすい=誤嚥を起こしやすいんです。
しかし、末広がりな形だと、首を傾けずに飲めるので、むせにくくで安全!
ほんのちょっとした形状の違いで、つかみやすさ、食べやすさが変わってくる食器の形状。
形状さえ押さえていれば、デザインは問いません。存分に好みに合う、お店の雰囲気に合うものを選んでOKです。
より多様な年齢層のお客様をターゲットにしたお店の場合は、食器の形状にもちょっと意識することで、“誰にとっても優しいお店”にぐっと近づくことが出来ますよ!
2019.10.24