vol.85 「0円からバリアフリー」その6〜目の不自由な人を案内する方法

全盲より圧倒的に多い「弱視」

不定期でお伝えしている「0円からできるバリアフリー」。

今日は、視覚に障害がある人をサポートする方法について。

視覚に障害があると聞くと、まったく見えない「全盲」を想像する人も多いのですが、実は、「視覚障害」の身体障害者手帳を持っている人の8割以上は「弱視」と言われています。

「弱視」というのは、単に視力が弱いだけではなく、

視野が極端に狭かったり、視界の一部またはあちらこちらが欠けていたり、

光は感じるけど、物の輪郭をはっきり捉えられなかったりなど、

生活に支障をきたすほど「見る」機能に障害があることを言います。

目そのものに原因がある場合もあれば、事故による怪我や腫瘍・出血など脳に原因がある場合など様々です。

だから、目が開いていて瞳も動いているのに白杖を持っている…のはそうした弱視の人。見えているのに障害者のふりをしている…と、誤解されたりすることもあります。

「声をかける」→「一緒に歩く」だけ

さて、そうした白杖をもった人が道に迷っていらしたり、お店にいらした時にどのように案内したら良いか、今日はお伝えします。

簡単ですよ!

*道案内をする時

1.まずは、「ご案内しましょうか?」「お手伝いしますか?」と、声をかけ、サポートが必要かどうかを確認。「yes」なら2へ。「No」なら、「お気をつけて!」と、バイバイ。

2.「手を失礼します」など、声をかけて、その人が白杖を持っているのとは逆の手をとって、自分の腕か肩どちらか高さに無理のない所をつかんでもらい、一緒に歩くだけ腕や肩をつかんでもらい、一緒に歩く

決して腕や杖をつかんで引っ張ったりはしないで下さいね

(引っ張られるとけっこうコワい!)。

狭いところを通る時は…「狭いところ通ります」と、声をかけて、後ろに回ってもらいます。狭い所は後ろもまわってもらう

行く先に階段や段差があるなら、「もうすぐで下り階段です」と声をかける。すると、杖の先で段差の場所をご自身で確認できます。

3〜5段など、数えられるならその数を伝え、

多ければ「10段はあります」「けっこうつづきます」など、おおよその感じを伝えて歩き「もうすぐ終わります」など伝えればOK!階段あることを伝えるだけ!

 

*イスに案内する時

「イスに案内します。」と、手をとってイスの背もたれや座面に触れてもらうだけ。すると、本人自身でイスの場所を確認して座ることができます。手で背もたれか座面を触れて貰う

自分で座れるこの時も、腰をつかんで引っ張って無理に座らせようとはしないで下さいね。

私もアイマスクをして、引っ張って貰う体験をした時は、後ろにイスがあることが分かっていても、奈落に落ちてゆくような恐怖を感じました。

なかなか突然には出来ないかも知れませんが、もし、白杖をもって困っていらっしゃるような人をみかけたら、ぜひ、お声をかけて見て下さい!

知ればバリアは低くなる。マンパワーは何よりのバリアフリーです!

2019.11.6

 

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