vol.89 「0円からバリアフリー」その9〜狭くたって車いすでトイレ使えます!小規模店舗だからこそできるバリアフリー
質問です!車いすで使えるトイレは、AとBどちらのタイプでしょう?
Aタイプ:広いトイレ
Bタイプ:便座の幅ぎりぎりの狭いトイレ
「考えるまでもなくA!」と、思いますよね?正解は…
用を足すこと自体はどちらでも使えます!
「えええっ!?駅などにある“車いすマーク”がついたトイレって、2m×2m位の広〜いトイレだよね?」と、思いますよね。
そう思うのも無理はありません。
しかし、便座に座って用を足す…という動作は障害がある人もない人も同じですから、実は、通常よくある80㎝程度の幅のトイレでも、
車いすで便座の前まで近づくことができれば、用を足すことはできるんです。
問題は出る向き!
広いトイレだと、用を足して車いすに戻り…ぐるっと前を向いて出ようとする時に、車いすが回転する分のスペースがあります。
ですから、狭ければ…後ろ向きにバックして出れば良い訳です。
実際に、両腕が使えて自力で便座に乗り移れる車いすの人は、そうしてトイレを使っています。
また、狭いと、よろけた時に身体を支えてくれる利点もあります。
でも、狭いボックス式のトイレだと、便座に乗り移った後に、鍵がかけられませんよね。それも考え方一つで、
大抵の場合は、ボックスの手前に手を洗うスペースが有ります。
ボックスの扉は開けたままで用を足し、
手前のドアに鍵をかけることで、使える場合もあるんです。
規模の小さな店舗ほど、血のかよったバリアフリーを実現しやすい
ただ…
後ろ向きで出入りする場合は、ドアの開け閉めにちょっとしたお手伝いが必要かもしれません。
しかし、それが、カフェや喫茶店、美容室やブティックなど、規模が大きくない店舗ほど、そうしたお手伝いもしやすくありませんか?
狭いからこそ、規模が小さいからこそ、ちょっとしたお手伝いやフォローで、
むしろ血の通った“身の丈に合った”バリアフリーが十分実現できるんです!
よく、ウチのトイレは狭いから…バリアフリーじゃないから…と、配慮や思いやりがある店ほど、恐縮したり、申し訳なさを感じているオーナーさんも多いのです。が、
こまやかな配慮を利かせることができるのが小規模店舗の何よりのバリアフリー的強みでもあります。
100点満点じゃなくとも、65点でも良い。
要は、どう使うかを意識し、できることをする。
「0円からバリアフリー」できますよ!
2019.11.12